「米国に向けたミサイル発射の準備かもしれないので先制攻撃するのは集団的自衛権である」のレトリック
2007年 05月 23日
仮に今回の検討で集団的自衛権が認められたとしても、今のところ日本は、北朝鮮から米国に向かって発射されたミサイルを迎撃することはできない。これが日本の軍事能力の現実であり、政府のレトリックにはまる前に確認しておきたい、足下の現状である。(read)
では、この大前提となる現実を無視した状態で、集団的自衛権が認められたらどういうことになるのか。米国に向かって発射されてからでは間に合わないのだから、発射される前に対応しなくてはいけない。つまり、北朝鮮に米国を攻撃する気配を感じた段階で日本が先制攻撃しないと、間に合わないということなのだ。ということは、集団的自衛権を認めることはすなわち先制攻撃をすることも想定しなくてはいけない。
相手が実際に攻撃を開始する前に、その素振りを見せた段階で、日本が敵国に攻撃を開始することは、現在の憲法や国民感情から見て許されるのだろうか。(read)