絶望は愚者の選択


by beautiful_japan
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■「公正さ」と「公正らしさ」とは違う「公正」かどうかは「神のみぞ知る」榎本修愛知大学法科大学院教授■


■「公正らしさ」失う恐れ 
慶応大学法科大学院の考査委員が新司法試験問題に出題される判例を示唆し、不適切な行為により法務省から解任された問題で、8月2日、司法試験委員会は今回の受験生に何らの措置もとらないことに決めた。

私たち若手弁護士は先輩法曹から「『公正さ』と『公正らしさ』とは違う」と指導されてきた。法廷で検事と弁護士が、偶然に高校の同窓であった場合、両者の談笑を見た被告人は裁判の結果に満足できない。一度失われた「公正『らしさ』」の回復は困難だ。この「公正らしさ」こそ司法にとって命だ。「公正」かどうかは「神のみぞ知る」領分だからである。

今回の司法試験委員会の対応は本当の被害者を忘れていないか。それは司法試験委員会でも法科大学院でも教員でも受験生でもない。本当の被害者は「公正らしさ」を失った法曹を利用するリスクを背負った一般市民や企業である。弁護士過疎地で法曹の資質に市民から疑念を抱かれると、損害や問題点は計り知れない。

私は、今回の措置の「公正さ」に疑問を感じる。▽短答式と論文式を総合評価するのに、論文試験採点の途中で本件の影響がないと断定したこと▽インターネットによる判例検索が常態化して受験生が情報の洪水にあるなかで、特定かつ最新の判例の出題をその考査委員が示唆したことを過小評価していること▽「漏出」の定義を狭く限定しすぎていることなどだ。

百歩譲っても、今回の措置には「公正らしさ」がない。そもそも司法試験委員会にこの問題を熱心に検討する姿勢が私には感じられない。司法試験委員会や考査委員には、私が尊敬する多くの先生方が含まれるが、かくも重大・複雑な問題に何の異論もなく、なぜ全員賛成されたのか。議論を尽くしたとは思えない。「公法系の考査委員同士」という身内の「検討」をベースにした、議論の経過が見えない措置には「公正らしさ」が感じられない。

解決方法として私は、短期的には、漏出が疑われる他の諸問題も含めて論文式試験ンの採点結果とも総合して影響を再度調査し、当該問題について是正措置を採ることについて「公正らしさ」の観点から再考を求める。中期的には、法科大学院教員と考査委員を分離し、出題者は法科大学院現役教員としないことが必須だと考える。

考査委員の人材難が指摘されるが、出題者と採点者を分離すれば可能との意見もある。また、採点基準を公開して情報公開を進めることが重要だ。

この意見に対し、「司法試験という『点』による選抜から『プロセス』による法曹養成へ」との司法制度改革の理念に逆行し、司法試験重視だとの批判もあろう。しかし、今回の事件は「プロセス」全体を汚染するものだ。私は法曹の一員として今回の事態を悲しみ、心から憤っている。

信頼と「公正らしさ」を取り戻すために残された時間は少ない。訴訟制度を利用する側の視点に立って考え行動を起すことが、法曹養成にかかわる私たちに求められている

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植村栄治・元慶應義塾大学法科大学院教授
■慶応義塾大学法科大学院新司法試験問題漏洩事件(read

■官僚病の起源---自閉的共同体の病 
1.官僚組織は、本来、国のため国民のためのものであるにもかかわらず、自己目的化し、仲間内の面子と利益を守るための自閉的共同体となっている。そのため、共同体内の地位、昇進や賞罰は、国のため国民のためにどれほど貢献したかによってではなく、共同体の仲間、特に上位の人たちに気に入られるかどうかによって決定される。

2.しかも、その自覚がなく、仲間に気に入られるように仲間のためを尽くしながら、国のため国民のために役立っているつもりである。

3.共同体のメンバーでない人たち、すなわち仲間内以外の人たちに対しては無関心または冷酷無情である。

4.同じことであるが、仲間の対しては配慮がゆき届き、実に心やさしく、人情深い。したがって、共同体の中にいる者は実に居心地がよく安定しており、共同体の崩壊は世界の崩壊と感じられるので、共同体の保全を何よりも優先する。

5.身内の恥は外に晒さないのがモットーで、組織が失敗を犯したとき。失敗を徹底的に隠蔽し責任者を明らかにしない。

6.従って、責任者は処罰されず、失敗の原因は追求されないから、同じような失敗が無限に繰り返され、共同体の外の人たちは甚大な被害を受ける。等々。

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by beautiful_japan | 2007-09-07 23:54 | 美しい国 希望の国 日本