絶望は愚者の選択


by beautiful_japan
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日本政府はアイヌ民族を「先住民族」と認めていないが「先住民族の権利に関する国連宣言」に賛成票を投じた

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■今年は世界の先住民族にとって歴史的な年だった
9月13日、国連総会において「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されたのである。これは先住民族を「国際法の主体」として認め、自己決定権や返還・賠償・補償権など、さまざまな権利を規定した人権文書だ。

日本も賛成票を投じた。だが、日本政府は我々アイヌ民族を「先住民族」とは認めていない。先住民族に関する定義はいまだ確立されておらず、アイヌ民族が先住民族か否かを判断できないというのが理由である。

しかし、これは世界の趨勢や国内の実態に反している。9月14日付の朝日新聞「私の視点」欄に、北海道ウタリ協会の加藤忠理事長による「政府は先住民族を認めよ」という主張が掲載された。私も理事長の主張に同感だ。

「先住民族」という概念はきわめて政治的なものである。単に、ある地域に居住していた時期が早いか遅いかという時間的な問題ではない。世界各地の先住民族を取り巻く問題に詳しい上村英明・恵泉女学園大教授(市民外交センター代表)はこう定義する。「近代国家が成立する時点において、合意なしに国家に統合され、現在被支配的立場におかれ、かつ(固有の民族としての)人権が充分保証されていない人々」(中略)

先住民族に認められる権利には、土地に関するもの、外交を含む自治に関するもの、地下資源や埋蔵物に関するもの言語使用に関するものなどがある。私の父・萱野茂は「和人に土地を売った覚えも貸した覚えもない。借りたのであれば借用書を見せろ」とよく言っていた。本稿では土地について論じよう。

世界の先住民族を見ると、1990年代以降、一部とはいえ返還されているケースはいくつもある。カナダではイヌイットの準州ができたし、オーストラリアではアボリジニに返還を命じる判決が出た。国際的に見ても決して特異なことではないはずだ。

北海道全部を返せなどと言うつもりはない。すでに何世代にもわたって和人が住んでいる私有地まで戻すべきだというつもりはない。北海道は約834万㌶。このうち約半分の414万㌶が国有地だ。道有地、市町村所有の公有地も多い。このなかの一部でもいい、返還してほしい。歴史的経緯を考えた場合、特に政府に求めたい。

我々の聖地である山や谷も、いまはその大半が国有地だ。もともとは我々の先祖が住んでいた土地である。アイヌ民族には土地所有の観念がなかった。明治期に、外から来た人々が一方的に法律を制定し「所有」を決めたのである。その結果 、神々に祈る行事を行おうにも、政府の許可を得なければできない、などということまで起きた

アイヌ民族を「先住民族」と認め、国有地の一部を返還する。国民が理解し、政府が判断すれば可能なはずだ。返還されたあとも、北海道の道民や来道者が自由に通行や利用ができるものとしたい。(萱野志郎

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by beautiful_japan | 2007-12-29 23:55 | 宗教 vs グローバル化