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絶望は愚者の選択


by beautiful_japan
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「美しい国、日本」の教科書検定はジョージ・オーウェル「1984年」の真理省レベルに到達するのだろうか?

那覇市議会が展示する教科書検定前の「白表紙本」(左)と検定後の「見本本」(右)。「集団自決」に軍の強制があったとの記述が消えた問題で、「市民の知る権利に応えたい」と開催。沖縄では検定結果への反発が強い(read

ジョージ・オーウェル「1984年」の世界 
■一つ、ユーラシアかイースタシアとの戦争はたぶんに架空のもので、国民は実態を知らず、政府の公式発表を鵜呑みにしているにすぎない。戦争相手はときおり変わり、しかも変わった瞬間、すべての公式見解は新しい相手とずっと戦争を続けてきたという内容に書き換えられる。主人公ウィンストンは〈真理省〉で、この文書改竄(かいざん)業務にたずさわっている。改竄は戦争に関してだけでなく、反政府的な思想・行動のかどで追放処分(しばしば不意の失踪という形をとる)を受けた人間についても徹底され、消えた個人の痕跡はすべて抹殺される。ようするに、政府の絶対的無謬性が作為的に維持されていて、国民はそれが作為であることさえ忘れるよう強制されるのだ。

■二つ、こうした作為の容認と無意識化(=洗脳)を刷り込む手段が、「二分間憎悪」や「憎悪週間」などで敵(戦争相手、非愛国者)への憎しみを組織的に扇ることと、「二重語法」(ダブルスピーク)という新しい国語。後者は、たとえば情報操作と歴史改竄の役所を「真理省」、密告と拷問と暴力的人間改造の役所を「愛情省」と名づける倒錯の常態化・公式化を指し、その“正しい考え方”は「二重思考」(ダブルシンク)とも呼ばれて奨励される。と同時に、これらの語法・思考法は単純化が鍵で、語彙は極限まで削られ(当然「自由」や「正義」といった複雑な概念は消える)、頭に「プラス」をつければ強意(もっと強めるには「ダブルプラス」)、「アン」(〜でない)をつければ反語になる。迷語・妄語で知られる子ブッシュの貧困英語とか、ちょっと古いがコギャルたちの「チョベリバ」(超ベリーバッド)系隠語を思い出さずにいられない。(read



by beautiful_japan | 2007-06-09 23:54 | メディア 大本営発表