デスボンド(死の債券)今、世界のお金の流れはそういうところに向かっている事実は承知しておくべきだ
2007年 08月 16日
いま世界は超過剰流動性でお金が溢れている。株式だけではなく世界中の不動産、石油、金属に至るまで、あらゆるものが高騰している。しかもサブプライムで明らかになったように、売るものがないと何でも小口債券化してしまう。
最近のビジネス・ウイーク誌は高齢者の生命保険を買い取って、年齢によって20〜40パーセントの現金を払い、残りの保険料を払い続ける会社が欧州を中心に米国にまで広がりつつあると報じている。これも何千人分かまとめて、小口債券化してファンドなどに売り込む段階に来ているという。デスボンド(死の債券)と呼ばれるこの商品は石油などに比べて市況に左右されない魅力ある商品だという。
彼らがこういうことを手がけるときは、統計処理をして、ABSとして小口債券化する。もう少し簡単に解説すると、将来の保険受け取りという資産を元に証券化し、投資家に販売するわけだ。実は、ヘッジファンドもこういうものを求めていた。というのも、株も金も銀も石油も、連動して動く傾向にある。今回のように世界同時株安が起こったときなどは
、全部同じ動きを見せて下がってしまう。
ところが、生命保険のベクトルは違う。人が生きるか死ぬかは誰もコントロールで きない。殺人でもしないかぎり操作できないのが生命保険だ。株や金、銀、石油とはベクトル
、波長が異なる。これがヘッジファンドにとっては大きな魅力なのだ。こういう波長の異なるものを、巨大なビジネスとして注力しようと考えているのだ。
デスボンド —— 死亡債と言えばいいのか、生命保険債と言えばいいのか。この話を聞いて、「ここまできたのか」「人の命まで商売にするのか」と驚いた読者も多いだろう。いや、驚きを通り越しているかもしれない。しかし、今、世界のお金の流れはそういうところに向かっている事実は承知しておくべきである。何しろ余っているお金を納めるバケツが足りない。だから、バケツを作らなくてはいけない。
しかし、ここまでやっても世界のお金はまだ余っている。世の中ファンドであふれているのに、中国のドラゴンマネーがちょくちょく顔を出してくるのだ。わたしが ホームレスと呼んでいる放浪資金だけで世界中に6000兆円もある。オイルマネーに続きドラゴンマネ
ーがさらに流れ込んで来る。むしろ同時株安や流動性危機で投資家の頭を冷やした方がいい、という意見もあるくらいだ。
これだけ世界的に資金が余っていると、一時のパニックもすぐに克服するだろう。いまでは今回見られたような世界中の中央銀行の連係プレーもうまく機能するようになっているし、何よりも資金が枯渇してしまうことはない。
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曲はモチロン!説明不用のピンクフロイドのマネー!!と言いたい所ですが、当初の目論見と違って「目利き」の方々も多数御覧になっておられるようなのでDuke EllingtonのMoney Jungleにしときます。